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【映画】ミスト【感想】

2018年8月30日 - レビュー
【映画】ミスト【感想】

漫画を描く者として、やはり映画から学ぶことは多いと思う。僕は頭痛もちなので長時間映像を見続けるのが苦手なのだが、そこは無理してでもこれから毎日一本は必ず映画を見たいと思っている。しかし、ただ見るだけでは頭に残らない。そこで、せっかく作ったブログに感想と言う名の駄文を書き散らかすつもりなので、冷ややかな目で見てくださると幸いである。

さて、8月30日の今日は「ミスト」を見た。

簡単なあらすじとしては「町中に発生した謎の霧に閉じ込められた人々の様々な人間模様」である。そこに登場するのは頭の固い弁護士、旧約聖書を妄信する女性、恋人未満のカップル、子供のいない女性教師・・・などなど。霧の中に怪物が潜んでいることが明らかになっていくにつれ、スーパーに閉じ込められた人々の緩やかなコミュニティは次第に崩壊していく。その過程が面白かった。こういったパニックホラーものの醍醐味は人間関係の崩壊にあるよね。この作品では危機的状況において、人々がカルト宗教的思考に落ちていくのが現実の世界の問題とリンクしてなかなかに生々しかった。話が進むにつれ、霧が実は「異世界」への入り口だと分かったとき、主人公は賛同する仲間とともに脱出を決意する。まさか「異世界もの」だったとは。この作品は2007年のものらしいから、日本のラノベの異世界ブームのさきがけかも。ちなみに僕も「異世界もの」描いてました。

異世界

この映画の異世界は「霧」が入り口になっているところが新鮮だと思った。

主人公たちは車に乗り込みスーパーから脱出し、霧から逃れようと車を走らせるも、霧から抜ける前についにガソリンが尽きてしまう。死を覚悟し、仲間たちは拳獣自殺を図るも、主人公の分の弾はない。怪物に自分を殺すように叫ぶがなぜか次第に霧が晴れていく。周囲には戦車が走り、先ほどまでスーパーで一緒にいた人たちが救出されていくのだ。そう、この物語は主人公があらゆる選択肢でハズレの方を引くという珍しいパターンのものだった。アクションを起こした人間が割りを喰うというのは話を作る立場の人はあまりやりたくないはずだ。なぜなら、視聴者の多くは主人公に感情移入するから。要は主人公は視聴者=お客なのである。お客を良い気分にさせてこその客商売、エンターテイメントであろう?しかしこの映画は終始徹底的に主人公を虐めていた。僕がホラー映画を何よりも好きなのは、決してグッドエンドにならないこと(バッドエンドではない)、「必ず問題が解決していないこと」なのだが、この映画はバッドエンドであり、「問題が解決してしまった」ということに特異性があったと思う。それゆえ、単純なホラー映画にはない後味の悪さが残った。

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